楠岡 成雄「Rademacher 複雑度と正則化」§5 正則化のための準備

公開: 2024/9/13
最終更新: 2024/9/13

楠岡 成雄「Rademacher 複雑度と正則化」
§5 正則化のための準備

は可測空間、 上の確率測度とする。 は距離空間で は可測関数とする。また、 を連続関数とする。 に対して の空でない部分集合 で定める。

 また、 は確率空間、 は独立同分布な -値確率変数でその分布は とする。

 以下では は固定して考える。

 この時、以下が成立する。

 命題 5.1. 単調増大関数 及び が存在して、以下の 2 条件が成立すると仮定する。

(A-1)    

(A-2)    

 この時、任意の に対して が存在して であり、 に対して が成立する。ただし、 である。


証明. 命題 4.3 より、任意の 及び に対して が成り立つ。よって、 とおくと を得る。

 さらに、 に対して とおくと、 を得る。 とおくと ならば であるので、 に対して が成立する。


 

 命題 5.2. 単調増大関数 及び が存在して、以下の 2 条件が成立すると仮定する。

(A-1)    

(A-2)    

 この時、任意の に対して が存在して であり、 に対して が成立する。ただし、 であり、 である。


証明. 命題 4.2 より、任意の 及び に対して が成り立つ。よって、 とおくと、 を得る。

 よって、命題 5.1 の証明と同様にして主張を得る。



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